コラム_第八回 - h-collection|廣島晴弥

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コラム_第八回

 

 

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コラム

 

 

共に暮らす道具たち

SHAPE&DECORATION vol.4より

 

 

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 第八回

道具の記憶

 

 

 

平日の朝は瞬く間に過ぎていく。
ゆっくりと時間を気にせず朝食を楽しむ余裕を持ちたいと思うもなかなかどうして。
できれば面倒な朝支度もさっさと終わらせたいもの。

こんな日々の鬱憤を晴らすには休みの朝は絶好のとき。
面倒だった髭剃りを変えるべくシェービングブラシを使い始めてみた。

程よい器にシェービングジェルを入れブラシで上下にシャカシャカ。しばらくするとキメの細かい綺麗な泡が良い香りと共に出来上がり、ふわふわとした気持ち良さが肌を覆う。

昔の映画でよく見かけた朝支度の場面では洗面ボールに置き鏡、折りたたみのカミソリにしゃぼんとシェービングブラシというセットはさながら小さな床屋さん。

そういえば「戦場のメリークリスマス」でデヴィッド・ボウイの見せたパントマイムでの剃り心地も見ていて気持ち良さそうだった。

そんな場面を見ていてはじめて床屋さんで髭剃りを体験した温かい泡の感触を思い出す。
少し大人の仲間入りをしたような幸福感。 今になってこんなことを思い出すのは道具のおかげだろうか。

廣島晴弥

 

 

 

 

 

 

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廣島晴弥

 

 

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