共に暮らす道具たち

SHAPE&DECORATION vol.4より

 第十回

徳利

日本酒を飲むときに、片口やチロリ、そして徳利に移す一手間をかけるとき、今自分に心のゆとりがあると実感します。 そして、徳利から日本酒がトクリトクリと注がれる瞬間がとても愛おしい。

徳利で相手と注ぎ合う文化もとても素敵だと思います。

⁡ 徳利といえばお燗もするのでどちらかというと陶磁器が多いイメージですが、ガラスの清涼感と透明感はこれからの季節特別なもの。 いわゆる片口などのガラスの注器を作成している作家は多いですが、洒落たガラスの徳利は片口ほど多くはないのではないでしょうか。 ⁡

私自身ガラスの徳利を所有していないのですが、写真の陶器の徳利は、堂々とした形、容量、注ぎ口のキレ、勢いのある刷毛目文様など、お気に入りの一品。

ちなみに今回の展示会ではガラスの酒器セットが出品予定です。 ガラスの徳利に求められる要件は陶磁器とは少々異なる部分があると思いますが、どのようなガラスの徳利がお目見えするかどうぞご期待ください。