コラム_第十二回 - h-collection|廣島晴弥

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コラム_第十二回

 

 

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コラム

 

 

モノから生まれる

暮らしのイメージ

SHAPE&DECORATION vol.3より

 

 

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 第十二回

憧れのロビーチェア

 

 

 

一人暮らしを始めた頃、いつか欲しいと思い続けていたのがソファでした。特に思い入れがあったのはその頃雑誌でよく見かけたカリモクのロビーチェア。

当時、初めて九品仏にあるD&DEPARTMENTのカフェで使用されていたこのソファを見たとき、無骨なデザインとどっしりと落ち着いた佇まいにとても惹かれました。

実際に座ってみると体を預けてゆったりと座るというよりは浅く座りカフェテーブルと合わせて本を読んだり、書き物をしたりするのに丁度良いソファだなという印象でした。

早速カタログを持ち帰り、部屋のレイアウトをあれこれと考えているときは楽しいものです。ただ、欲も出てきてどうせなら横にもなれる3シーターが欲しくなり、価格を見るとまあそれなりのお値段。

当時の私には予算的に難しく、やはり1シーターにするべきか、でものちのち後悔するだろうなとも思い始めてなかなか購入には至りませんでした。

そんな時、ネットオークションでたまたま見つけたのがこちらのソファでした。それは復刻モデルのカリモク60ではなく、70年代の発売当時のもので所々使用感があるようでしたが1シーターと同じ価格で出品さており、数日悩んだ末購入に至りました。

荷物が届いた当日は部屋を掃除し、新しく迎える我が家の初めての大型家具にそわそわ。搬入を終えたリビングは少しだけ生活の空間が一段階上がったような、そんな気持ちで満たされました。

機能を優先して選べばもっと座り心地の良いゆったりとくつろげるソファもたくさんあるでしょう。しかし、それ以上にそのスタイルやデザインが全てに勝るモノが時にはあります。

そしてそのデザインは時代に流されず今も作り続けられていることを思えばそれはもうモノを構成する大切な一部なのでしょう。

大事にされるからメンテナンスも充実し、長く使い続けて欲しいという作り手の思いも同時に受け取ることで使う側も同じ思いをもってモノと付き合うことができるのだと思います。

モノ作りの片隅で生きているものにとって作り続けることの大切さを学ぶ一品です。

 

廣島 晴弥⁡

 

 

 

 

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廣島 晴弥

 

 

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