会津屋が以前に雑貨店だったことはこのコラムでもお話ししました。 そのため私が店に入った当初は、私共のルーツでもある会津とのリレーションも切れてしまっていました。 そこで思い立ち、実際に会津に伺って、木地師、塗師、蒔絵師の方々に会いに行くことにしたのが2006年のこと。 その時に伺った職人の一人が、現在当店で毎年個展もしていただいている蒔絵師の山内泰次さんでした。
こちらは山内さんを初めて訪問した時に出会った麻糸乾漆のカップです。 素地は麻糸でできていて軽くて丈夫、周りに可愛らしい兎の漆絵を施しています。
ガラスや陶磁器と同じように成形が自由で一つ一つ異なるところが魅力の一つです。 初めて会津を訪問した記念に購入しました。
一つの品物が、自分と自分のルーツを繋げた瞬間でした。 このカップを見るたびに自分の原点を思い返すことができます。
会津屋 店主 杉田幸一郎
会津屋 店主
杉田幸一郎